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2014年 11月 19日

ヤマハ2ストツイン250ccエンジンについて その.1

ヤマハ2ストツイン250ccの始まりは、1957年に発売されたYD-1でエンジン仕様は以下でした。
「空冷、ボア×ストローク:54×54、ピストンバルブ、シングルキャブ(MC20)、14.5PS/6000rpm」
ボア×ストロークは、エンジンのキャラクターを決める重要な要素ですがYD-1は西ドイツのアドラーMB250を模範にしたとのことです。
同じ1957年の10月に第2回浅間火山レースが行われヤマハは、250ccクラスに2ストツインのYD-AとYD-Bという2種類のレーサーをエントリーしました。これは「各社の出場枠は、各種目5台まで、1種目で同じ型式の車両3台まで」と言うレギュレーションに対応するもので、YD-Aは、ボア×ストローク「54×54」、YD-Bは、ボア×ストローク「56×50」と言うものでした。ボア×ストロークは、大きくエンジンの形を変えないで仕様(型式)を変えれる手段として有効ですがヤマハとしてはエンジンのテストを行う目的もあったと思います。結果はヤマハの圧勝で、YD-Aが優勝、YD-Bが2位、3位と言うものでした。
では、ボア×ストロークの「54×54」と「56×50」ではどんな違いがあるのでしょうか?
2ストロークエンジンではオイル潤滑の課題がありエンジンの回転(ピストンのスピード)を上げると焼付きの問題が出やすくなります。
この限界は、平均ピストンスピード(m/sec)で表されオイルの性能やエンジンの冷却状態などに左右されます。同じ条件であれば低い方が安全です。
YD-1の54mmストロークで最大出力回転数の6000rpmでの平均ピストンスピードは、
0.054×2×6000÷60=10.8m/sec です。
同じく、50mmストロークでは、
0.050×2×6000÷60=10.0m/sec となり、
約8%低くなります。単純にピストンスピードだけの問題だとしたら逆に8%回転を上げれて、うまくすれば8%馬力が上げれることになるので「56×50」が有利と言えます。但し、ボアが大きくなることの弊害(リングの飛び出しやピストンの首振り等)もあるのでむやみにショートストローク(オーバーボア)にすることも出来ません。
1959年に発売されたスポーツモデルの250S(YDS-1)では、以下の仕様となりました。
「空冷、ボア×ストローク:56×50、ピストンバルブ、ツインキャブ(VM20)、20PS/7500rpm」
浅間レーサーのYD-A(54mmストローク)とYD-B(50mmストローク)がどれくらいの出力だったかは判りませんがその後発売されたスポーツモデルの250S(YDS-1)が50mmストロークを採用したのはショートストロークのメリットを考慮したためだと思います。
このボア×ストロークは、YDSシリーズでは不変でしたが1970年発売のDX250で「54×54」となりました。これは350ccとの共通化(350は、64×54)のためであり、その後250cc専用設計となったTZR250が「56.4×50」である所を見ると250Sの50mmストロークは正解だったと思います。
一方YD-1やYD-Aで採用された54mmストロークはその後、YM-1(305cc、60×54)、RX350~RD350~RZ350(350cc、64×54)など250ccより大きなエンジンで使われ続けました。


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by YDS_CLUB | 2014-11-19 21:16 | YAMAHA 2st Twin | Comments(0)


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