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2014年 11月 28日

エンジン性能から見るYDSのライバル達

YDSと同世代のライバル達(250cc)のエンジン性能と当時の価格をピックアップしました。
1959年 ヤマハ YDS-1      20PS/7500rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格188,000円
1959年 ライラック LS38     19.6PS/8000rpm 空冷4ストロークV型2気筒OHV 54×54 価格188,000円
1960年 ホンダ CB72      24PS/9000rpm 空冷4ストローク並列2気筒OHC 54×54 価格187,000円
1960年 オリンパス スーパーツイン 19PS/5000rpm 空冷2ストローク水平並列2気筒ピストンバルブ 52×58 価格163,000円
1962年 ヤマハ YDS-2      23PS/7500rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格187,000円
1963年 スズキ コレダ250    21ps/7000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 52×58 価格170,000円
1964年 ヤマハ YDS-3      24PS/7500rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格187,000円
1965年 スズキ T20       25PS/8000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 54×54 価格187,000円
1966年 ヤマハ YDS-3      26PS/8000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格187,000円
1966年 スズキ T21       30.5PS/8000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 54×54 価格187,000円
1966年 カワサキ A1       30PS/8000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ロータリーバルブ 53×56 価格187,000円
1967年 ヤマハ DS5-E      29.5PS/8000rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格193,000円
1968年 ホンダ CB250     30PS/8000rpm 空冷4ストローク並列2気筒OHC 56×50.6 価格187,000円
1969年 ヤマハ DS6       30PS/7500rpm 空冷2ストローク並列2気筒ピストンバルブ 56×50 価格187,000円
※スペックは、日本モーターサイクル史(八重洲出版)に寄る。
日本のバイク混乱期を生き残った4メーカーの馬力競争の様子が伺えます。車両重量や車体剛性等も重要な要素ですが先ずはエンジン出力が判りやすい性能要素であり重点的に開発されたのでしょう。
'60年代は、日本のメーカーが欧米に販路を切り開いた時代で世界選手権ロードレースでの成功を基に高性能(高出力)をアピールしていたことが判ります。

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by YDS_CLUB | 2014-11-28 18:48 | YAMAHA 2st Twin | Comments(2)
2014年 11月 23日

ヤマハ2ストツイン250ccエンジンについて その.2

1959年発売の250S(YDS-1)から1969年発売のDS6までに10馬力の出力アップがありました。
(ボア×ストローク:56×50、吸気方式:ピストンバルブ、冷却方式:空冷は、同一)
1959年 YDS-1    20.0PS/7500rpm キャブレター:VM20×2 鋳鉄シリンダ
1962年 YDS-2    23.0PS/7500rpm キャブレター:VM22×2 鋳鉄シリンダ
1964年 YDS-3    24.0PS/7500rpm キャブレター:VM24×2 鋳鉄シリンダ
1966年 YDS-3後期 26.0PS/8000rpm キャブレター:VM24×2 鋳鉄シリンダ
1967年 DS5-E    29.5PS/8000rpm キャブレター:VM26×2 アルミシリンダ+鋳鉄スリーブ
1969年 DS6      30.0PS/7500rpm キャブレター:VM26×2 アルミシリンダ+鋳鉄スリーブ
出力アップと共にキャブレターサイズが大きくなっていますが、キャブレターはサイズを大きくすれば出力が上がると言うものではなく、出力が上がったから大きなサイズが必要となると言った方が良いと思います。2ストロークエンジンの出力は、掃気ポート形状(掃気効率)や排気管の形状・構造が重要な要素でこの10年間でコツコツと改良された証しだと思います。
もう一つ重要な要素はエンジンの冷却で出力が上がると発熱量も増えるのですがそれを適切に処理しないと焼付きなど致命的な問題を引き起こします。DS5-Eで採用された「メタリックボンド」は、潤滑性の良い鋳鉄スリーブをアルミで鋳ぐるんだもので鋳鉄シリンダに比べ飛躍的に冷却性が良くなりました。
出力の向上度合いからも判りますが'60年代はYDSエンジンの成長期でした。しかし'70年代は、2ストロークエンジンにとって苦難の時代でした。メイン市場であるアメリカでの排気ガス規制のため2ストロークエンジンは消え入りそうになりました。そんな中で「ピストンリードバルブ」「CDI点火」等の技術が採用されましたが1979年発売のRD250(最終型)まで最大出力は30PSのままでした。
そして激しい馬力競争の時代、'80年代がやってきます。そのトップバッターは、1980年に発売されたRZ250でした。
(ボア×ストローク:54×54、吸気方式:ピストンリードバルブ、冷却方式:水冷は、同一)
1980年 RZ250    35.0PS/8500rpm キャブレター:VM26×2 アルミシリンダ+鋳鉄スリーブ
1983年 RZ250R   43.0PS/9500rpm キャブレター:VM26×2 アルミシリンダ+鋳鉄スリーブ YPVS装着
1984年 RZ250RR  45.0PS/9500rpm キャブレター:VM26×2 アルミシリンダ+鋳鉄スリーブ YPVS装着
水冷化されたRZ250は、前モデルのRD250に比べ出力が5PSアップの35PS、回転数は500rpm上がり8500rpm(ピストンスピード:15.3m/s)となりました。
その3年後には排気ディバイス「YPVS」付きのRZ250Rで更に8PSアップ、回転数も1000rpm上がり9500rpm(ピストンスピード:17.1m/s)となりました。
更にその1年後に出たRZ250RRでは、出力が2PSアップし45PSとなりました。250S(YDS-1)発売から25年で何と出力は2.25倍となりました。2ストロークエンジンの出力アップは、各ポート形状やマフラー形状などの基本的チューニングを経て冷却性能の向上や各種ディバイスの採用等で大きく進化しました。
その後、業界規制で250ccは45PSまでとなったためカタログ値から実力は判りづらくなってしまいました。
どのモデルのエンジンもその時代の先端技術で作り出されており、スポーツモデルの原動力になっているからこそ魅力的に感じられます。

※馬力(PS)については以下参照下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A6%AC%E5%8A%9B

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by YDS_CLUB | 2014-11-23 17:46 | YAMAHA 2st Twin | Comments(2)
2014年 11月 19日

ヤマハ2ストツイン250ccエンジンについて その.1

ヤマハ2ストツイン250ccの始まりは、1957年に発売されたYD-1でエンジン仕様は以下でした。
「空冷、ボア×ストローク:54×54、ピストンバルブ、シングルキャブ(MC20)、14.5PS/6000rpm」
ボア×ストロークは、エンジンのキャラクターを決める重要な要素ですがYD-1は西ドイツのアドラーMB250を模範にしたとのことです。
同じ1957年の10月に第2回浅間火山レースが行われヤマハは、250ccクラスに2ストツインのYD-AとYD-Bという2種類のレーサーをエントリーしました。これは「各社の出場枠は、各種目5台まで、1種目で同じ型式の車両3台まで」と言うレギュレーションに対応するもので、YD-Aは、ボア×ストローク「54×54」、YD-Bは、ボア×ストローク「56×50」と言うものでした。ボア×ストロークは、大きくエンジンの形を変えないで仕様(型式)を変えれる手段として有効ですがヤマハとしてはエンジンのテストを行う目的もあったと思います。結果はヤマハの圧勝で、YD-Aが優勝、YD-Bが2位、3位と言うものでした。
では、ボア×ストロークの「54×54」と「56×50」ではどんな違いがあるのでしょうか?
2ストロークエンジンではオイル潤滑の課題がありエンジンの回転(ピストンのスピード)を上げると焼付きの問題が出やすくなります。
この限界は、平均ピストンスピード(m/sec)で表されオイルの性能やエンジンの冷却状態などに左右されます。同じ条件であれば低い方が安全です。
YD-1の54mmストロークで最大出力回転数の6000rpmでの平均ピストンスピードは、
0.054×2×6000÷60=10.8m/sec です。
同じく、50mmストロークでは、
0.050×2×6000÷60=10.0m/sec となり、
約8%低くなります。単純にピストンスピードだけの問題だとしたら逆に8%回転を上げれて、うまくすれば8%馬力が上げれることになるので「56×50」が有利と言えます。但し、ボアが大きくなることの弊害(リングの飛び出しやピストンの首振り等)もあるのでむやみにショートストローク(オーバーボア)にすることも出来ません。
1959年に発売されたスポーツモデルの250S(YDS-1)では、以下の仕様となりました。
「空冷、ボア×ストローク:56×50、ピストンバルブ、ツインキャブ(VM20)、20PS/7500rpm」
浅間レーサーのYD-A(54mmストローク)とYD-B(50mmストローク)がどれくらいの出力だったかは判りませんがその後発売されたスポーツモデルの250S(YDS-1)が50mmストロークを採用したのはショートストロークのメリットを考慮したためだと思います。
このボア×ストロークは、YDSシリーズでは不変でしたが1970年発売のDX250で「54×54」となりました。これは350ccとの共通化(350は、64×54)のためであり、その後250cc専用設計となったTZR250が「56.4×50」である所を見ると250Sの50mmストロークは正解だったと思います。
一方YD-1やYD-Aで採用された54mmストロークはその後、YM-1(305cc、60×54)、RX350~RD350~RZ350(350cc、64×54)など250ccより大きなエンジンで使われ続けました。


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by YDS_CLUB | 2014-11-19 21:16 | YAMAHA 2st Twin | Comments(2)
2014年 11月 05日

ライバル(好敵手)「本田宗一郎ものづくり伝承館」見学

本田宗一郎ものづくり伝承館(静岡県浜松市天竜区)で「HONDA DREAM CB72 とライバル車」と言う企画展示をやっているので見学に行って来ました。
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※スペックや解説は、展示車に付帯の説明書きに寄る。
主役
ホンダ CB72 1960年発売 価格 187,000円
空冷4ストローク2気筒OHC 247cc 最大出力 24PS/9000rpm 重量 153kg
ワークス直系の市販レーサーCR71のポテンシャルを受け継いだスポーツモデル。専用設計となるバックボーンタイプのパイプフレームをはじめ当時の最高技術を惜しげもなく投入、スポーツライクな走りを求めるライダー達に圧倒的な支持を得た。
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ライバルたち
ヤマハ YDS-1 1959年発売 価格 185,000円
空冷2ストローク2気筒ピストンバルブ 246cc 最大出力 20PS/7500rpm 重量 138kg
アサマやアメリカのカタリナGPレーサーをベースにした日本初の5段変速スポーツ車。レースキット等も用意され、CB72の好敵手であった。
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ライラック LS38 1959年発売 価格 188,000円
空冷4ストロークV型2気筒OHV 247cc 最大出力 20.3PS/8000rpm 重量 160kg
1951年発売のドイツ車ビクトリア・ベルグマイスター350ccと同方式の縦置クランクのV型2気筒採用。アメリカやヨーロッパに輸出され、海外の愛好家も多かった。
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スズキ T20 1965年発売 価格 187,000円
空冷2ストローク2気筒ピストンバルブ 247cc 最大出力 25PS/8000rpm 重量 145kg
国産2サイクル250cc初のアルミシリンダー、6段変速。スズキ初の本格的パイプフレームのスポーツ車で、GPレース技術によるCCI直接給油方式採用。
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車両の解説にも書いてあるがCB72が発売された年代から見ると真のライバル(好敵手)は、YDS-1だろう。
メーカーから見るとライバル車となるが4ストロークファンを広げたCB72、2ストロークファンを広げたYDS-1、'60年代初期のモーターサイクル市場をけん引した両車は、同志と言っても良いだろう。

見学した当日は、地元の産業観光まつりもあったので本田宗一郎ものづくり伝承館の前でも愛好家のクラブが展示をしていました。
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館内の様子
1階展示
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2階展示
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「本田宗一郎ものづくり伝承館」のウェブサイトはこちら
http://www.honda-densyokan.com/


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by YDS_CLUB | 2014-11-05 21:29 | YAMAHA 2st Twin | Comments(0)